多い質問・・
排尿後に陰茎を下着にしまった後に尿が漏れて下着を汚します。

 

排尿後の尿滴下

排尿後に尿が漏れる症状は尿道内に残尿する尿が滴下するために起こる症状で男性に特有の症状であり、 排尿後尿滴下と言います。

 

男性は排尿が終了するときに、尿道海綿体を取り囲む球海綿体筋や骨盤底筋を収縮させ、 さらに陰茎を振ることで尿道内残尿を残さないようにしていますが、 加齢に伴い球海綿体筋などの収縮力が低下するために排尿後尿滴下が起こると考えられています。

 

排尿後尿滴下は健常男性の20~30%に認められ、必ずしも病的なものではありませんが、 QOLを強く障害する症状として訴えられる方がいます。

 

また、前立腺肥大症などの排尿障害を起こす疾患では尿勢の低下のために排尿の終わりがはっきりとせず、 排尿後尿滴下を起こしやすくなります。

 

 

排尿後の尿漏れの治療

治療は前立腺肥大症などの疾患がある場合にはα1遮断薬などの投薬を行います。 明らかな排尿障害のない例では、 排尿終了後に収縮力の低下した球海綿体筋の補助として会陰部から陰嚢裏を指で圧迫し、 尿道内に残った尿の排出を促すこと、陰茎をよく振り十分に時間をかけてから下着にしまうことを指導します。 また尿失禁の治療である骨盤底筋体操が排尿後尿滴下に対しても有効であるとの報告もあります。

 

東邦大学医療センター 大橋病院 泌尿器科 引用