前立腺は男性副性器の一つで、膀胱の直下にあり尿道を取り囲んでいます。 前立腺は精液の液体成分を作り出しています。 そのため、思春期以前はとても小さいのですが、12歳前後からの思春期に急激に成長を始め、 10歳代後半から30歳代前半にかけてゆっくり大きくなり、その後いったんは大きさは一定します。

 

しかし、40歳代以降は、大きく肥大するものと小さく萎縮傾向を示すものが現れます。 前立腺が肥大するのは血中の男性ホルモンがある程度のレベルで維持され続けている場合で、 萎縮するのは血中の男性ホルモンレベルが低下した場合と考えられます。

 

前立腺の肥大には前立腺液を産生する腺組織の肥大と間質の線維組織や平滑筋組織の肥大があります。 前立腺肥大では前立腺のサイズが大きくなるだけではなく、前立腺の中を通過する尿道内腔を狭めるため、 閉塞膀胱症状としての排尿困難が出現し、それに伴って頻尿や尿失禁などの蓄尿症状も出現してきます。

 

(東邦大学医療センター 大橋病院 泌尿器科 )